2017年4月11日火曜日

木製ミサイルが飛んできた

 ミサイルの飛行実験ばかりやっている国がありました。もう何千回も実験していたので、とうとう鉄がなくなってしまい、木製のミサイルに変わりました。ところがこのミサイル、ロケットエンジンの熱で燃えてしまって、落ちてくるときは炭になっていました。
その様子をいつも見ていた山小屋の炭焼きたちが、
「今日はおれの庭に落ちてこないかなあ」
と空を見上げていました。
 木を伐って燃やさなくてもいいので大助かりです。
 ところがある日、ミサイルが燃えてしまってはなんにもならないというので、今度はガラス製のミサイルに変わりました。
がっかりしたのは炭焼きたちです。
「ああ、木製の方がよかったのに」
落ちてくる飴のように溶けてしまったミサイルをつまらなそうに見ていました。








(未発表童話です)





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